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木田 孝; 梅田 幹; 杉川 進
JAERI-Data/Code 2003-001, 29 Pages, 2003/03
燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)では、臨界実験で使用する硝酸プルトニウム溶液を調製するために、銀媒体電解酸化法によるウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)粉末の溶解を計画している。この溶解運転の支援のために、MOX溶解シミュレーションコードの開発を行なった。本報は、開発したシミュレーションコードの概要、実験データとの比較及び溶解速度に及ぼすMOX粉末溶解パラメータについてまとめたものである。本コードは、AgによるPuO粉末溶解に対するZundelevichのモデルに基づいて作成し、Agの収支式に亜硝酸による影響を加えるとともに、MOX粉末の表面積は粒径分布により算出する方式を採用した。また、コードの妥当性を確認するために、実験データとの比較を行なった。この結果、本コードにおいて溶解速度定数等のパラメータに適切な値を用いることで、溶解挙動を良く模擬できることを確認した。また、溶解速度に及ぼす影響が最も大きいパラメータは、MOX粉末粒径であることが判明した。
桜井 聡; 臼田 重和; 阿見 則男; 平田 勝; 若松 幸雄; 館盛 勝一
日本原子力学会誌, 35(2), p.147 - 154, 1993/02
硝酸に難溶性である酸化プルトニウム(PuO)の電解酸化法による溶解についてスケールアップ実験を行い、引続き得られたプルトニウムの精製法を検討した。HNO溶液中で酸化剤としてAgを用いることにより、約80gのPuOを2時間以内に効率的に溶解できることを確認した。また、溶解後のPuの原子価調整は、二酸化窒素ガス吹込みにより、温度33C以上、HNO濃度5M以下の条件で40分以内にPu(IV)に原子価調整できることを明らかにした。ミキサセトラを用いたTBP抽出法によるPuの精製では、Amの除染係数として約2,900を得た。これらのことから、電解酸化法で溶解されたPuOは、容易に精製ができる。
松鶴 秀夫; 和達 嘉樹
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 48(12), p.3456 - 3459, 1975/12
被引用回数:8極低濃度のAg,ZnおよびCrのキレート樹脂Dowex A-1へのイオン交換を、速度論的に一定容積系で研究した。その結果、AgおよびZnの交換速度はイオン強度,樹脂粒度,反応温度に依存すること、律速段階については、高イオン強度(0.1~0.05)では樹脂内拡散であり、低イオン強度(0.01~0.001)では液境膜拡散であることを明らかにした。見かけの活性化エネルギーはAgで3.84kcal/mol,Znで3.91kcal/molの値が得られた。Crの交換速度はイオン強度、樹脂粒度に依存せず一次反応速度式に従う。見かけの活性化エネルギーには15.5kcal/molを得た。以上のことからCr交換速度の律速段階は、キレート形式反応に律速されると考えた。